ikeの日記

しがない研究者の雑記。

研究

M+1法則の検証

人に見せる機会があったので、ここにも載せておく。 M+1法則とは M+1法則とは、雑にいうと「定数Mの選挙区において、有力な候補者はM+1人になる」という、政治学の理論である。 Reed (1990) は単記非移譲式 (SNTV) による日本の衆議院議員選挙のデータを用い…

頑健標準誤差 (robust standard error) を自力で計算する

RやStataといった統計ソフトでは、たいていの回帰モデルについて頑健な標準誤差 (robust standard error) を簡単に計算できる。 そのため、自力でrobust SEを求めなければいけないケースはほとんどない。 しかし、混合分布モデルなど複雑なモデルを用いる場…

世論調査は外れたのか?: 2020年アメリカ大統領選挙

今月初頭に行われたアメリカ大統領選挙において、4年前同様世論調査がトランプへの投票を過少に予測していたのではないかという指摘がされている。 英語ではそれなりに詳細な論考が出始めているが、日本語では (当然だが) 同様のものは見たことがない。 そこ…

分析コードの望ましい(?)書き方

今学期から、某政治学トップジャーナルのRAとして働いている。 主な仕事は、採択されたペーパーで報告されている統計分析の結果が再現(reproduce)できるかを確認することである。1 そのため他人が書いたRやStataのコードを見る機会が多いが、再現性や可読性…

最近の出来事

今学期は忙しくブログの更新がなかなかできなった。 ということで最近あったことをまとめて書こうと思う。 MPSA 4月の第1週に、シカゴであったMidwest Political Science Associationの年次大会で報告してきた。 今回は無理やり締め切りを作ってサイドプロジ…

Asian PolMeth & SPSA

年明けから学会2つで報告をしてきた。 まずは1月5日~6日に京都で行われたAsian Political Methodology Meetingという政治学における計量分析方法論に関する学会でポスター報告をした。 名前から想像できるようにかなり小規模な学会なのだが、その道の専門家…

APSA雑感

8月の終わりから9月の始めにかけて、American Political Science Association (APSA)の年次大会のためボストンへ行ってきた。 APSAは政治学ではおそらく2番目に大きな学会であり、報告の申し込みはかなり倍率が高いことで知られる。 授業で書いたサイドプロ…

7月に読んだ本

本にだけに限ってリスト化するのもおかしいけど、メモ。 Mason, Liliana. 2018. Uncivil Agreement; How Politics Became Our Identity. University of Chicago Press. Klar, Samara & Yanna Krupnikov. 2016. Independent Politics: How American Distain f…