ikeの日記

しがない研究者の雑記。

k-means法の可視化

授業用に作ったものを、こちらにも載せておく。 ちょっとした説明 今井. 2018. 『社会科学のためのデータ分析入門(上)』第3章に記載されている、DW-NOMINATEの1次元目及び2次元目のスコアを元に連邦下院議員を分類するタスクを扱う。分析の対象は第80議会 (1…

M+1法則の検証

人に見せる機会があったので、ここにも載せておく。 M+1法則とは M+1法則とは、雑にいうと「定数Mの選挙区において、有力な候補者はM+1人になる」という、政治学の理論である。 Reed (1990) は単記非移譲式 (SNTV) による日本の衆議院議員選挙のデータを用い…

頑健標準誤差 (robust standard error) を自力で計算する

RやStataといった統計ソフトでは、たいていの回帰モデルについて頑健な標準誤差 (robust standard error) を簡単に計算できる。 そのため、自力でrobust SEを求めなければいけないケースはほとんどない。 しかし、混合分布モデルなど複雑なモデルを用いる場…

最近のできごと

「最近」とは何ヵ月前までを指すのかわからないけど…。 オンライン学会・研究会 今年の1月から5月上旬にかけて、Southern Political Science Association、Midwest Political Science Association、Asian Online Political Science Seminar、選挙学会とオン…

世論調査は外れたのか?: 2020年アメリカ大統領選挙

今月初頭に行われたアメリカ大統領選挙において、4年前同様世論調査がトランプへの投票を過少に予測していたのではないかという指摘がされている。 英語ではそれなりに詳細な論考が出始めているが、日本語では (当然だが) 同様のものは見たことがない。 そこ…

ICPSR Summer Program

ICPSR Summer Programは毎年ミシガン大学で行われる、社会科学で用いられる統計的手法に関するサマースクールである。 Summer Programのメインは6月下旬~7月中旬及び7月下旬~8月中旬に行われる4週間セッションなのだが、今年はコロナウイルスの影響でいず…

追記

先日のブログの主眼は後半部分のつもりだったが、どうやら前半部分のみがフィーチャーされて拡散されているようだ。 書いたものが筆者の意図と異なって理解されることは往々にしてあるので、そのこと自体は仕方のないことだと思う。 ただ、前半部分を取りあ…

あるデータサイエンティストが解雇された話

George Floydさんの死がきっかけとなり、最近のアメリカでは人種問題に関連した議論や抗議活動が盛んに行われている。 そんな中、あるデータサイエンティストが解雇される事件が起きた。 事の経緯はこんな感じだ。 彼はデータコンサルティング会社に勤務する…

Stay-at-Home & 国勢調査

前回の投稿に続いて最近のできごと。 Stay-at-Home コロナウイルスの拡がりにより、うちの大学も3月11日に授業が当面の間オンラインで行われるようになり、3月30日には居住している州で外出禁止の州知事令 (Stay-at-Home Order)が出された。 私の観測範囲で…

最近のできごと

最近あったことのまとめ。 NBA 先日NBAの試合を初めて現地観戦してきた。 見たのはWizards対Grizzliesで、この日は八村と渡邊雄太の初対決だった。 試合はWizardsが第1クオーターからリードしていたが、第4クオーターでグリズリーズが逆転する、そこそこ劇的…

Bradley-Terryモデルを使ったJリーグデータの分析

先日ツイッターでプレミアリーグのデータのBradley-Terryモデルを使った分析を見つけて、自分もやってみたくなった。 こんなことをやっている場合ではないが、同様の分析を2019年シーズンのJリーグのデータを用いてやってみてしまった…ので、ブログにまとめ…

分析コードの望ましい(?)書き方

今学期から、某政治学トップジャーナルのRAとして働いている。 主な仕事は、採択されたペーパーで報告されている統計分析の結果が再現(reproduce)できるかを確認することである。1 そのため他人が書いたRやStataのコードを見る機会が多いが、再現性や可読性…

走るチームは勝てる? - Jリーグのトラッキングデータの簡単な分析

最近Rを使ったデータ分析入門のレクチャーをする機会があったので、せっかくなのでブログにも書いてみようと思う。 リサーチクエスチョン サッカーの話をすると、しばしば「走るチームは強い」という言説を聞く気がする。 相手がボールを持った時素早くプレ…

小切手は面倒くさい

日本ではあまり使われないがアメリカで頻繁に使われるものの1つとして小切手があげられる。 最近これでちょっと面倒なことがあった。 以前は家賃を小切手で払わなければいけなかったので、銀行からpersonal checkという、自分の名前と住所が書かれた (要は自…

最近の出来事

今学期は忙しくブログの更新がなかなかできなった。 ということで最近あったことをまとめて書こうと思う。 MPSA 4月の第1週に、シカゴであったMidwest Political Science Associationの年次大会で報告してきた。 今回は無理やり締め切りを作ってサイドプロジ…

Asian PolMeth & SPSA

年明けから学会2つで報告をしてきた。 まずは1月5日~6日に京都で行われたAsian Political Methodology Meetingという政治学における計量分析方法論に関する学会でポスター報告をした。 名前から想像できるようにかなり小規模な学会なのだが、その道の専門家…

「統計的に有意」な差は見た目も「有意」か?

最近ツイッターで「回帰分断デザインのプロットで「有意」な処置効果があるように見えるにはt値はどの程度必要か?」というスレッドを見つけた。 結構面白いなあと思ったので、Rでシミュレーションを再現してみた。 以下がそのRコード。結構簡単。 なお、回帰…

投票参加は集合行為(!?)

最近自分の周りでは投票の話題が多い。理由の一つは、投票日が来週の火曜日に迫っている、中間選挙である。そしてもう一つ自分の大学に固有の事情として、大学院生労働者(TA・RA)の労働組合化の是非を問う院生投票が現在行われていることがある。 ところが自…

APSA雑感

8月の終わりから9月の始めにかけて、American Political Science Association (APSA)の年次大会のためボストンへ行ってきた。 APSAは政治学ではおそらく2番目に大きな学会であり、報告の申し込みはかなり倍率が高いことで知られる。 授業で書いたサイドプロ…

ガンマ分布と逆ガンマ分布

ブログに数式とコードを書く方法を学習したので、備忘録代わりに。 shape parameterが、scale parameterがのガンマ分布の確率密度関数は 一方shape parameterが、scale parameterがの逆ガンマ分布の確率密度関数は ここでとおいて確率変数の変換公式を適用す…

7月に読んだ本

本にだけに限ってリスト化するのもおかしいけど、メモ。 Mason, Liliana. 2018. Uncivil Agreement; How Politics Became Our Identity. University of Chicago Press. Klar, Samara & Yanna Krupnikov. 2016. Independent Politics: How American Distain f…

Tokyo Central

なぜ今まで知らなかったのだろう、こんなに便利なのに。 Tokyo CentralというのはMarukaiというカルフォルニアにある日本食スーパーがやっている通販サイトなのだが、アメリカに2年いたにもかかわらず、帰省中親に教えてもらうまで存在を知らなかった。 (ち…

散髪

アメリカに来てからは自分で散髪している。 理由は3つあり、①アジア人の髪は白人のものより硬いためこちらの理髪師には扱いにくい(らしい)、②アジア人がやっている理髪店は非常に高いため私の財力では支払い不可能、③非アジア系によって経営されている理髪店…

Comcast

今年の夏引っ越すのだが、移動先のアパートはComcastしかインターネットが使えないらしい。 ただ、この会社、サービスが悪いことで非常に有名なのである。 申し込みの手順は、①まずComcastのホームページに住所を入力し、②プランを選択し、③モデムを借りるか…

アメリカに日本酒を持ち込む

お世話になっている人へのお礼のため、今回日本酒を持ってアメリカに帰った。 事前に調べたところ、アメリカはアルコール類は1リットルまでは関税がかからず、それ以上持ち込む場合は課税されるもののかなり少額、とのことだった。 自分はあわせて1.5リット…